紫微斗数では、命盤に現れる星々は「主星」と「副星」に大別されます。
主星は、その人の性格や人生の大枠を示す中核的な存在であり、命盤を読み解く際の基本的な軸となります。
一方、副星は主星を補佐しながら、運勢の変化や日常の細やかなテーマを具体的に浮かび上がらせてくれる存在です。
本記事では、副星とは何かという基礎から始まり、分類ごとの特徴や役割、そして命盤に登場するすべての副星の一覧と詳細な意味を、初心者にもわかりやすく解説していきます。
これから紫微斗数を学ぶ方にとって、副星の理解は命盤を立体的に捉えるための大きな助けとなるでしょう。
当ブログの内容は、紫微斗数という占術に基づく個人的な見解や解釈です。
医学的・法律的・金融的な判断材料ではなく、最終的な意思決定はご自身の責任にて行っていただきますようお願いいたします。
目次
副星とは?
主星との違い
紫微斗数の命盤には、主星と副星が配置されます。
- 主星:その人の性格・本質・運命の柱となる存在(例:紫微星、天機星など)
- 副星:主星を補佐し、運勢の細部や現象の傾向を示す星。恋愛、金運、健康、精神面などの“具体的なテーマ”を読み取る際に重要になります。
主星が「人生の骨格」なら、副星は「人生の肉付け・装飾」と言えます。
▼主星に関する記事はこちら
副星の種類
副星は以下のように分類されます。
- 甲級副星:吉凶が明確で、命盤への影響も大きい
- 四化星:生年の干によって変化する特殊な副星群。非常に重要
- 乙級副星:感情面や精神面、対人関係に関係し、サブ的役割が強い
それぞれの分類には個別の意味があり、命盤全体の流れやバランスを読み解くために不可欠です。
副星の分類と特徴
甲級副星
命盤への影響力が強く、吉星・凶星の働きが明瞭です。
補佐、援助、妨害、衝突などさまざまな作用をもたらします。
四化星
化禄・化権・化科・化忌の4つがあり、「生年の干(十干)」によって個人ごとに配置が変わります。
主星の性質に強い影響を与えるため、紫微斗数の鑑定では非常に重視されます。
乙級副星
精神的・情緒的なテーマや恋愛傾向、感性、信仰、繊細な傾向を示します。
命盤の裏テーマや、現れにくい性質を読み取る手がかりになります。
副星一覧表&解説
以下に紫微斗数でよく使用される代表的な副星の詳細を記載します。
甲級副星(15個)
星名 | 分類 | 主な意味・解説 | 吉凶 |
---|---|---|---|
文昌星 | 甲級副星 | 学問・文章・知性・理論的思考に優れる。学業や論理的創作で才能を発揮する星。 | 吉 |
文曲星 | 甲級副星 | 感性・芸術・恋愛・演劇に強く、静的で優雅な美意識を示す。心の機微に敏感な星。 | 吉 |
左輔星 | 甲級副星 | 援助・誠実・温厚な性格・支援を得る力を持ち、穏やかで信頼される存在。真面目な対人関係を築く。 | 大吉 |
右弼星 | 甲級副星 | 補佐・社交力・文才に優れ、対人関係においてバランス感覚を発揮。享楽的で美的な感性も持つ。 | 大吉 |
天魁星 | 甲級副星 | 昼の貴人星。目上の支援・名誉・出世運に恵まれる。知性と品位を兼ね備えた華やかな星。 | 大吉 |
天鉞星 | 甲級副星 | 夜の貴人星。魅力・恋愛・慈愛を象徴し、陰の援助や人間関係のフォローに恵まれる。 | 大吉 |
禄存星 | 甲級副星 | 金銭運・物質的安定・倉庫・蓄積・節約。豊かで堅実な人生を築く力を持つ。 | 大吉 |
化禄星 | 四化星 | 財運・人脈・愛され運。社交的な魅力や芸術的センス、福徳を高めてくれる人気運の星。 | 吉 |
化権星 | 四化星 | リーダーシップ・実行力・統率・責任感を司る。公的な評価や活躍の場を広げる力を持つ。 | 吉 |
化科星 | 四化星 | 名誉・才能・学術・外交的能力を意味する。知性や評価運を後押しする吉星。 | 吉 |
化忌星 | 四化星 | トラブル・葛藤・執着・障害を象徴する最重要凶星。人生で繰り返し直面する試練や課題を示す。 | 凶 |
擎羊星 | 凶星 | 衝突・事故・怒り・暴力性・反抗・外傷・散財などを象徴する攻撃的エネルギーの星。 | 大凶 |
陀羅星 | 凶星 | 妨害・堕落・病気・孤独・精神不安など、停滞や困難を生み出す要素を持つ。 | 大凶 |
火星 | 凶星 | 外向的な衝動・短気・怒りの爆発など、トラブルを引き寄せやすい性質。 | 凶 |
鈴星 | 凶星 | 内面的な葛藤・孤独感・煩悩・不満を象徴し、精神的に揺れやすい傾向を示す。 | 凶 |
乙級副星(9個)
星名 | 分類 | 主な意味・解説 | 吉凶 |
---|---|---|---|
天馬星 | 乙級副星 | 移動・旅行・引っ越し・転職など「動」の象徴。出張・運転・多忙・行動力にも関連。 | 吉 |
紅鸞星 | 乙級副星 | 恋愛・性愛・美しさ・おしゃれ・出会い運を高める星。派手な魅力を持ち、恋愛体質。 | 吉 |
天喜星 | 乙級副星 | 品格・清楚・結婚運・慶賀・穏やかさ。恋愛成就や良縁に強く、誠実で真面目な印象を与える。 | 吉 |
竜池星 | 乙級副星 | 優雅さ・聡明さ・健康・才能・水との関係・出世・名声に恵まれる。気品ある知性と風流さが特徴。 | 吉 |
鳳閣星 | 乙級副星 | 表現力・試験・名誉・古典的美・笑顔・人間関係の円滑化など、温和で社交的な性質を持つ。 | 吉 |
地劫星 | 乙級副星 | 災難・虚しさ・無気力・孤独・宗教・無報酬などを象徴。修行・試練的な人生傾向や、隠された痛みを抱える。 | 大凶 |
天空星 | 乙級副星 | 精神的空虚・虚しさ・懊悩・苦労・哲学・心理学的関心。目に見えない世界に傾倒しやすい。 | 大凶 |
天刑星 | 乙級副星 | 医療・法律・裁判・孤独・学問に関係する混合星。争いや頑固さ、強い使命感と責任感を伴う。 | 吉凶混合 |
天姚星 | 乙級副星 | 妖艶・エロス・早熟・社交的・好色傾向・酒色・恋愛に積極的。華やかな魅力を持ち、人気もある。 | 吉凶混合 |
紫微斗数で使用される星の種類は、厳密には全部で110種類ほどありますが、実際の鑑定などに使用する場合は、それぞれの星の「階級」「特性」「吉凶」など基に、一般的には『甲級主星:14星』『甲級副星:15星』『乙級助星:9星』に分類される合計38種類の星を使用します。
命盤における副星の見方
宮位ごとの意味
副星は配置された宮位によって、その影響の出方が異なります。
- 命宮:本人の性格や本質
- 財帛宮:金運やお金の使い方
- 夫妻宮:結婚やパートナーとの関係
- 官禄宮:仕事・キャリアの傾向
同じ副星でも、どの宮に入るかで意味が大きく変化します。
▼12宮に関する記事はこちら
主星との組み合わせ
副星だけでは判断が難しく、主星との相性や作用の強弱を見て総合的に読み取る必要があります。
- 吉星+吉星:強化され好影響
- 吉星+凶星:中和または注意が必要
- 凶星+凶星:トラブルや障害の可能性が高まる
全体的な命盤のバランスを見ながら判断していきましょう。
まとめ:紫微斗数の副星とは
副星は主星を補佐し、命盤をより立体的に読み解くための大切な鍵です。
- 主星では見えにくい裏テーマが見える
- 精神面・恋愛・財運など、細かいテーマが明確に
- 吉凶がわかりやすく、対策も立てやすくなる
初心者の方は、まず甲級副星と四化星から覚えると、理解がスムーズになります。
命盤全体の意味を正確に読み取るために、副星もしっかりチェックしてみましょう!